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2009年8月7日金曜日

偶成賛歌日記







「ああ、俺には何か足りない。」と、

何が足りぬやら、この俺には。

弱き人のその肩に、やさしき言葉もかけられず。

人を思ふうちが花よ。と、わずかに己れをなぐさめた。

ああ

ひとりいれば人を思ひ。
もてあます時は仕事を思ひ。
道を歩めば人に出會い。
町に出ずれば車に出合う。

ああ平和なるこの生活が、なぜに我らを蝕(むしば)むのか?

ああ

ああ!哀れ!

時の力は我が命をいつか食いつくし、

屍となるまで。
屍になるまで。

何が足りぬやら。

我が命盡きる、その日が來るまでに。

時は我が血を吸い、身を削り、

凡ゝな生活を手にす遑(いとま)も無きがまゞに靑春は過ぎ行く。

ああ

あのひとのやうな眞つ黒な美しさを手に入れられたら。

また、優しさだけを頂いてしまつた。

俺は。俺は。

くそつ!

ひとりベンチに腰かけて、歩み行く人を眺めやつた。

ああ、まじりあいたる町の響きを、ひとり聞きながら眺めやつた。


ああ!哀れ!


ああ、うち仰ぐ空のかなたにきらりと光る今宵の月ありて、

流るるドブの表を、きらりとさせたる月讀ありて、

俺はこの爲生きていた。

ドブの月陽を見る爲に。

ドブの月讀を見る爲に。



明日も頑張らう。

愛する人に捧げやう。

ああ、風が吹いた。八月の風。



夏。愚男。27歳。

扉の向う。未だ遠く。

哀れなるこの身を率いて、



目指すは花の東京の、

春に咲きるるsakuraかな。




愛を込めて

にやー。

27歳。夏。あなたへ。